2020-01-01から1年間の記事一覧

対面と遠隔併用でアクティブラーニング! 大東文化大学「NPOとNGOの社会学」授業レポート①

大東文化大学で「NPOとNGOの社会学」という授業を行っている。講義はほとんどなし、自分たちで追求したい(学生にとって切実な)課題を、他の学生たちに働きかけながら模擬NPO活動を展開し、活動で得られたものの考察をプレゼン、レポートしてもらうアクティブ…

アイヌの先住権を実現する

ウポポイ(国立アイヌ民族博)ができたと聞き、すぐに見に行きたいと思った。しかし、これができた経緯を知るにつけ、単なる博物館見学では済まないなと感じ、少し調べてみた。 手がかりにしたキィワードは「先住権」。というのは、アイヌ文化だけが切り離され…

一度勝ち取った参加型を後退させることはできない(大東大におけるPBL授業の堅持)

けさの朝日新聞に「小中高やディズニーはよくてなぜ大学はダメなのか」という至極もっともな学生たちの声が掲載されていた。実際、オンラインによる画一一斉授業の質の悪さを嘆く声は多い。 わたしの大東文化大学での「NPOとNGO」という授業はもう10年にわた…

 生活圏を変えるー関啓子『「関さんの森」の奇跡』を読んで

本書を読み終わった直後に現場を訪れることができた。新松戸駅から坂を登っていくと斜面林が多い。ははぁこれは谷戸地形だな。谷戸とは丘陵の谷のことをいい、関東地方の里山に多い地形である。谷の基部には湧水が湧き出すのでそれを利用して谷戸田をつくっ…

市民参加の自治的協同社会強化へ学びあいの場をー古沢広祐『食・農・環境とSDGs』を読んで

1995年に『地球文明ビジョン』(NHK出版)を読んで以来、古沢さんの描く人類社会のビジョンに近しさを感じてきた。今回それを継承し、より精緻に展開した本が出たというのでさっそく読ませていただいた。そのエッセンスを紹介したい。 古沢さんの世界認識の基…

災い転じて福となす

最近とみに、人間というものは自分のつくったものによって縛られる存在なんだなとつくづく思う。これだけ気候危機や世界の不平等化、貧困・格差の拡大が言われても、これまで馴れ親しんできたモノがあふれかえっているのにモノをつくり続ける過剰生産・成長…

〈生の全体性の回復ーハヴェル『力なき者たちの力』が提起するもの〉

この本の惹き文句の次の部分にピンときた。「東西冷戦下のチェコで、権力のありようを分析し、全体主義に抗する手立てを考え抜いたハヴェル」。日本もファシズムにはまだなってないが一種の全体主義で、私たち市民もそれを打ち破れないでいる。これは今の日…